2022年8月
【第5回】大手なのに「クラフト」って使わないで問題
クラフトビールに関連する某協会のコラムが発端で一時話題になり様々な意見が噴出したこちらの問題。
要は「クラフト」ビールは小規模のブルワリーで拘りを持って醸造されてきたビールなのに、近年のクラフトビールブームに乗った大手ビールメーカーが自社の商品に「クラフト」という名称を使うのは如何なものか?
大手なんだからクラフトビールじゃなくない?クラフトビールの人気に便乗してちょっと姑息じゃない?
という意見が大半を占めていたように感じますし筆者も同じ意見でした。
そもそもクラフトビールとはいったい何なのか?
筆者の認識では1.小規模生産 2.拘りを持って醸造されている
くらいなものですが確かに大手のビールメーカーは小規模ではないのでちょっと違和感はあるかもしれませんね。
拘りはまあ数値化出来ないのでなんとも言えません。
ただ、未来を見据えて考えていくと少々考え方が変わってくるかなと思います。
現在のクラフトビール業界の特徴として
1.新しいブルワリーや、ボトルショップの新規出店が相次ぎ競争が激化している
2.小規模故、人件費や原料費が嵩むクラフトビールは値段が高く新しい客層を拡げにくい
結論から言うと
クラフトビールファンの裾野を広げてくれるのであれば大手が「クラフト」と使おうがどうしようが構わない!ですね。
クラフトビールファンを新しく開拓していく上で大きな障壁となる価格の高さ。そこに対して大手が低価格でクラフトビールに触れる機会を提供してくれると言うのならばそれはもう喜ぶべきことかと思ってしまいます。
筆者がIPAにはまったのはヤッホーブルーイングさんの「インドの青鬼」でしたが、これがコンビニで売られていて尚且つ200円台という価格帯でなければ手に取ることは無かったでしょう。
クラフトビールを醸造するブルワリーや販売するボトルショップ、ビアバーが増えている中でクラフトビール好きを狭い業界内で奪い合う未来にならないよう新たな客層を獲得するチャンスだと考えて、大手が「クラフト」という言葉をどう使おうが気にしない!って感じですね。
まずはクラフトビールそのものに興味を持っていただき、そこから先の沼にはまるかは小規模で拘りを持って頑張っているブルワリーさんのビールの魅力次第ってことかなと思っています。