クラフトビール業界におけるビアフェスの価値と課題について

ビアフェスの価値と課題

2022年10月

【第6回】愛すべきビアフェスと愛しきれない側面

愛すべきビアフェスの側面

まずクラフトビール業界の特徴として、造り手と飲み手の距離が近いことが挙げられると思う。

小規模醸造で地域に根差したブルワリーが大半だからこそ、ヘッドブルワーがタップルームでサーブしてるなんてことも珍しくない土壌に加えて、造り手との距離が更に縮まるのがこのビアフェスである。

実際ビアフェス会場でもヘッドブルワーがブースの前で呼び込みをしていたりビールをサーブしている姿をよく目にするので、あわよくばお話しできちゃうかも!なんて下心ありで会場に足を運ぶビールファンも多いと思うし筆者もその一人である。

また、各地からブルワリーが集まってきてくれるのは単純に有り難いし、飲み手とブルワリー双方にとって貴重な交流の場となるため正にビアフェスの愛すべき側面と言えるのではないだろうか。

愛しきれない側面

1.フードの提供が遅い

これはビアフェスに限らないのかもしれないが、とにかく遅い。

ビアフェス会場でフードブースの前だけ長蛇の列になっているのを見たことはないだろうか。そもそもフードのブースが少ないのが原因かもしれないが人気で集客力のあるビアフェスほどこの傾向が強くなる。

予約注文で先に注文と支払いを済ませておいて、ビアフェス会場で受け取れるシステムがあれば便利だなと思ってしまう。

2.飲食スペースが少なすぎる

せっかく食べるものを手に入れたのにテーブル席はとっくに満席で空きがない。。

仕方ないからその辺に座って飲み食いし始めている人をよく見かけるが非常に見た目が悪い。。大きな公園の一部で開催している場合、ビアフェスとは関係ない人も多く通りかかる状況においてビール片手に酔っ払い(に見えるだろう)が座り込んで飲み食いしているのはクラフトビールファンのイメージを大きく損なっているのでは無いかと危惧してしまう。

3.現金しか使えない場合がある

これに関してはビアフェス全体で現金のみしか使えない場合と、ブース毎に現金のみ、ペイペイ等の電子決済可能が混在している場合がある。

これからするのは、現金支払いのみと電子決済可能なブースが混在している場合のお話し。

筆者は普段から電子決済に慣れ親しんでおり現金は最低限しか持ち歩かない。そんな筆者にとっていくら大好きなビアフェスの為といえど現金をわざわざ下ろしにいくなんて苦痛でしかない。実際はちゃんと現金下ろして持っていくけども。。

ブルワリーにとっては手数料が掛からない現金払いを重宝したくなる気持ちは分かる。しかし、目の前に前情報無しのビールブースが2つ並んでいたとして一つが現金払いのみ、もう一つが現金+電子決済対応だとした場合私は迷わず電子決済可能な方でビールを購入する。

どっちにしようか迷うこともしないし電子決済一択。なぜなら楽だから。

うちは現金払いしか対応してないけどその分提供するビールの液量を増やすサービスしてるから問題無い!と仰る方もいましたが、そもそも選択肢に入らない時点でどんなサービスをしても意味がないと言うか。。

筆者のように電子決済に慣れ親しんでいる楽したい怠け者にはなんとも勿体ないこだわりに見えちゃいますね。

結論としては

ビアフェスは発展途上だけど無限の可能性を秘めている!!

ビアフェスはいつも筆者に新しいビールやブルワーさんとの出会いをくれる最高に好きな場所。

底抜けに自由で楽しいクラフトビールだからこそ、既存の概念に囚われることなく更に自由で開かれたビアフェスの未来に期待しちゃうね!!

大手ビールメーカーの『クラフト』使用許せない?

大手ビールメーカーの『クラフト』名称の使用

2022年8月

【第5回】大手なのに「クラフト」って使わないで問題

クラフトビールに関連する某協会のコラムが発端で一時話題になり様々な意見が噴出したこちらの問題。

要は「クラフト」ビールは小規模のブルワリーで拘りを持って醸造されてきたビールなのに、近年のクラフトビールブームに乗った大手ビールメーカーが自社の商品に「クラフト」という名称を使うのは如何なものか?

大手なんだからクラフトビールじゃなくない?クラフトビールの人気に便乗してちょっと姑息じゃない?

という意見が大半を占めていたように感じますし筆者も同じ意見でした。

そもそもクラフトビールとはいったい何なのか?

筆者の認識では1.小規模生産 2.拘りを持って醸造されている

くらいなものですが確かに大手のビールメーカーは小規模ではないのでちょっと違和感はあるかもしれませんね。

拘りはまあ数値化出来ないのでなんとも言えません。

ただ、未来を見据えて考えていくと少々考え方が変わってくるかなと思います。

現在のクラフトビール業界の特徴として

1.新しいブルワリーや、ボトルショップの新規出店が相次ぎ競争が激化している

2.小規模故、人件費や原料費が嵩むクラフトビールは値段が高く新しい客層を拡げにくい

結論から言うと

クラフトビールファンの裾野を広げてくれるのであれば大手が「クラフト」と使おうがどうしようが構わない!ですね。

クラフトビールファンを新しく開拓していく上で大きな障壁となる価格の高さ。そこに対して大手が低価格でクラフトビールに触れる機会を提供してくれると言うのならばそれはもう喜ぶべきことかと思ってしまいます。

筆者がIPAにはまったのはヤッホーブルーイングさんの「インドの青鬼」でしたが、これがコンビニで売られていて尚且つ200円台という価格帯でなければ手に取ることは無かったでしょう。

クラフトビールを醸造するブルワリーや販売するボトルショップ、ビアバーが増えている中でクラフトビール好きを狭い業界内で奪い合う未来にならないよう新たな客層を獲得するチャンスだと考えて、大手が「クラフト」という言葉をどう使おうが気にしない!って感じですね。

まずはクラフトビールそのものに興味を持っていただき、そこから先の沼にはまるかは小規模で拘りを持って頑張っているブルワリーさんのビールの魅力次第ってことかなと思っています。

ビール7×泡3は本当に最適解なのか徹底検証!

クラフトビール妄想マーケティング泡比率問題

2020年8月

【第4回】妄想マーケティング『ビール7×泡3黄金比問題

クラフトビール妄想マーケティング
クラフトビール妄想マーケティング

ビールを楽しむうえで欠かせないのがビールの泡と相場が決まっていますよね。

筆者もビールにとって泡は非常に大切な存在であり、ビール7:泡3が最も美しく正しい状態だと思っていました。

しかしクラフトビールを提供するお店やタップルームで出てくるビールにはビール9:泡1くらいの割合でしか入っていない場合で経営者が外国人の場合は特に顕著な気がします。

そこでこんな疑問が生じてしまいました。
『泡って必要なの??』

『もしかしてビール7×泡3で喜んでるの日本人だけ?』

という訳で筆者なりに調べてみたというお話です。

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目次
1.そもそもビールの泡ってなに?

2.泡がビールを美味しくする理論

3.黄金比ビール7:泡3理論の裏側

4.ビール9:泡1で良いんじゃないか問題

5.妄想マーケティングの結論

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1.そもそもビールの泡ってなに?

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ビールの泡はビールが作られるときに自然にできる二酸化炭素で出来ているようです。

ビールの原料である大麦を発酵させるための酵母が大麦に含まれる糖分を分解してアルコールを生み出す際、一緒に二酸化炭素も生成されそれがビールの泡となっているようですね。

ちなみに大麦の中にふくまれるタンパク質やホップにふくまれるルブロンという樹脂成分(じゅしせいぶん)が泡を消えにくくしているようで、ほかの炭酸水と違ってビールの泡は残りやすいという理屈のようです。

つまり、ビールの泡は作り方と原料的に考えてどうやっても出るものということです。

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2.泡がビールを美味しくする理論

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次はよく言われる、ビールの泡がビールを美味しくする理論について考えてみましょう。

これは色んなサイトや専門家の方も言ってますが、主にビールが空気に触れることで酸化するのを防ぎ美味しい状態を保ち、なおかつ泡がビール特有の苦みやえぐみを和らげてくれるんだとか。

なるほど、泡はビールを美味しく保つステキな存在だという訳です。

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3.黄金比7:3理論の裏側

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では、こちらもよく聞く7:3がビールと泡の黄金比!

という理論ですがなぜ7:3になったのか面白い話を見つけましたので紹介させて頂きますと、昔上野のビアバーで泡が多すぎることに腹を立てた客と店が裁判で争ったことがあるようです。

そして裁判の結果『泡もビールの一部だから違法ではないよ。でも最低限7:3くらいでビールいれとかんとアカンで』となったとか。

つまりビールを提供するお店にとっては、最低でもビール7:泡3の割合で入れとけば泡でかさ増しして利益率を上げる姑息な作戦だ!という指摘は当たらなくなるという訳ですね。

逆に言えばビールの美味しさと泡の量は特に関係無いということですね。

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4.ビール9:泡1で良いんじゃないか問題

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ビールの泡にはビールを美味しく保つための有難い役割があることがよく分かりました。

しかし、泡の量に関しては先に紹介した過去の判例以外に7:3で無ければいけない理由は特に無いというのが筆者の結論です。

ビールを美味しく保つために必要なら多分ビール9:泡1でも十分機能するでしょうし、最悪ビール8:泡2でも問題無いと思います。

泡自体が美味いんだ!という方もいらっしゃると思いますしそれは否定しません。

確かに普通のお店とは全く違うクリーミーな泡で提供しているお店もありますしそれは美味しいと思います。

それを加味したとしても、ビール本体の量が多いに越したことは無いとも思ってしまいます。

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5.妄想マーケティングの結論

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一杯当たりの単価が高いクラフトビールでは、ビールと泡の比率も満足度に大きな差をもたらす可能性が高い!

完全に酒飲みの発想ですが、ビール7:泡3というこれまで当然のように思われてきた提供スタイルはどちらかというと商業的な発想の方が強いことが分かりました。

黄金比などと言うまやかしは一度忘れて客が求める理想の提供比率を改めて模索してみるのもアリなのではないでしょうか。

美味しいビールをなるべく沢山口に運びたいと願う一クラフトビールファンの切なる願いでした。

マイクロブルワリー×クラフトビール缶店内販売は必須になるか!?

クラフトビール缶店内販売イメージ

020年7月

【第3回】妄想マーケティング『マイクロブルワリー×缶販売』が必須な理由

クラフトビール缶店内販売イメージ
クラフトビール缶店内販売イメージ

国内のマイクロブルワリーが400を超えて破竹の勢いで増え続ける中、それぞれのブルワリーが様々なサービスと戦略を練って営業しています。

筆者はマイクロブルワリーのアットホームな雰囲気とブルワーさんと直接お話できる機会に恵まれることが多いという理由から、なるべくマイクロブルワリーを訪問するようにしています。

そんなマイクロブルワリーさんでもハッキリと戦略が分かれるのが、店内でクラフトビール缶を販売するかどうかという点ですね。

マイクロブルワリーに限らず全てのクラフトビールを扱う店舗での話になると思いますが、是非とも店内でのクラフトビール缶販売を実施して欲しいという一消費者としての切なる願いのお話です。

では始めましょう。

正直法律的な面はあまり分かっていないので、あくまで一消費者としての視点から語らせて頂いてますが、クラフトビールが飲めるお店は大きく分けると三つに分類されます。

1.醸造所が併設されているマイクロブルワリー形式 基本は自社又はゲストで他ブルワリーのビールをドラフト(生ビール)で提供

2.居酒屋形式で飲食店としておつまみ等も併せてクラフトビールをドラフトで提供

3.酒屋として営業し、販売している酒類を有料で試飲できる俗に言う「角打ち」スタイルで提供し、ドラフトでも販売

それぞれ取得している免許が違うので詳細のコメントは差し控えますが、店内でのクラフトビール缶の販売は今後必須になっていくと考えます。

その理由はシンプルに需要があるから。

筆者はIPAが好きで美味しいIPAを求めていろいろな店舗を巡りますが、IPAは基本的にハイアルコールなのでそんなに沢山飲めません。

お店で飲めても2杯か多くて3杯までです。

まだまだ色んな種類のIPAを飲んでみたいが既にヘロヘロ。。

ならば持って帰れる缶があれば買って帰るのは自然な流れですよね。

グラウラーと違って最低でも1か月くらいは持つので、海外系のIPAを土産に買って帰ることが多いのです。※グラウラーとはそもそも用途が違いますけどね。

店内で缶や瓶のお酒を販売するには『一般酒類小売業免許』という免許が必要なようですが、最近マイクルブルワリーでも店内販売に踏み切っているお店が増えてきたように思います。

・妄想マーケティングの結論

店内でドラフト提供+クラフトビール缶を販売するものの有料試飲は無しで持ち帰りのみが今後の王道スタイルか!

これなら自社のクラフトビールやゲストのドラフトと競合することなく、持ち帰って好きな時にクラフトビールを楽しみたいという消費者のニーズにも応えることができますね。

一クラフトビールファンとしてマイクロブルワリー経営者の皆さんには是非ご検討頂きたいものです。

『キャンプ×クラフトビール』に新提案 24時間セルフビアスタンド

クラフトビール×キャンプマシュマロ

2020年6月

【第2回】妄想マーケティング『キャンプ×クラフトビール』無限の可能性

キャンプ×クラフトビール タイトルイメージ
キャンプ×クラフトビール タイトルイメージ

本格的な夏の到来を予感させる猛暑が列島を覆う中、ビールの美味しい季節がやってくるなと心躍らせる毎日です。

今回はいかにも親和性の高そうなキャンプとクラフトビールを軸にした業界全体が楽しく盛り上がれそうな妄想マーケティングスタートです。

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目次

キャンプ人口にみる市場の魅力

クラフトビールとキャンプはこんなに相性ピッタリ

家庭用ビアサーバーVSグラウラー

妄想マーケティングが行き着く答えは「24時間セルフビアスタンド」

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・キャンプ人口にみる市場の魅力

キャンプ×クラフトビール キャンプ場
キャンプ×クラフトビール キャンプ場イメージ

突然ですが、あなたはキャンプ好きですか?

ピンとこない人も多いでしょうが、日本はいま過去に類を見ないほどのアウトドアブームの真っ只中。

ソロキャンやゆるキャンなどのキーワードが連日メディアを賑わせており、若い世代からベテランまで多くの人々を魅了してやまない手軽なアウトドアの代表格が『キャンプ』なのです。

書店では様々な切り口から流行りのキャンプ場やグランピングといった新たなキャンプスタイル、最新キャンプギア、キャンプ飯を特集した雑誌や書籍が山積みされておりその高い人気を裏付けています。

日本キャンプ協会によれば日本のキャンプ人口は850万人(2019年時点で前年度比1.2%増)に上るそうで無視するにはもったいないというか、絶対に無視できない程のポテンシャルを秘めています。参照記事

先日のコラム『2021年マイクロブルワリー乱立後の世界を生き抜くマーケティングとは』でも書きましたが、遠くない将来クラフトビールのマイクロブルワリーが乱立し、価格競争が激化することは目に見えています。

新たな市場開拓とマーケティング戦略が必須となる中で、850万人のキャンプを愛する老若男女を見過ごす訳にはいきませんよね。

クラフトビールとキャンプはこんなに相性ピッタリ

キャンプ×クラフトビールテントサイト
キャンプ×クラフトビール テントサイトイメージ

では本当にキャンプを楽しむ人たちにクラフトビールは需要があるのか。

または需要を喚起できるのかというとそこはご安心ください。

実は筆者は一人でのソロキャンプから大勢でのキャンプまで幅広いキャンプを楽しむ俗に言う『キャンパー』であり、数千人が訪れる日本最大級キャンプフェスのボランティアスタッフもしているキャンプ大好き人間なのであります。

そんな筆者が断言します。

クラフトビール需要はあります。

ではどんな場面にクラフトビール需要があるのかキャンプのシーン別に見てみましょう。

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1.乾杯(荷ほどきも終わりキャンプのスタートはやっぱりビール)

2.食事タイム(持ち寄った食材をみんなでシェア。お供はビール)

3.焚火を囲んでチルアウト(ぶっちゃけトークにはやはりビール)

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上記シーンがすべて市販の一般的なラガービールで賄われているのが現状です。

そこで、もし以下のクラフトビールが出てきたらどうでしょう。

想像してみてください。

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1.乾杯(まずは香り華やか、濁りも最高ヘイジーIPA)

2.食事タイム(どんなお料理にもぴったり、飲み口軽くセゾンが正義)

3.焚火を囲んでチルアウト(人生には苦味が必須、焚火をつまみにじっくり飲みたいダブルIPA又はチョコレートスタウトが正解)

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いかがでしょう。これぞ妄想マーケティングの真骨頂。

限りなく閉ざされた世界で繰り出される割と納得しちゃいそうな妄想ニーズです。

しかし、妄想と言えどもシーンに適したクラフトビールを楽しめたら最高だと思いませんか?筆者なら前日両足骨折してても這って駆け付けます。

家庭用ビアサーバーVSクラフトビール専用持ち帰り水筒グラウラー

■家庭用ビアサーバーを考察

家庭用ビアサーバー
家庭用ビアサーバーイメージ

アウトドアで美味しいビールを飲もうと思ったら、まず思いつくのが家庭用のビアサーバーではないでしょうか。

大手ビールメーカーはもちろんマイナーメーカーまで様々なタイプの家庭用のビアサーバーを世に送り出しており、アウトドアやキャンプに持って行けそうな商品も多数ありました。

なんとビールを注いでおけばそれを自動でキンキンに冷やしつつ、炭酸まで付属キットで足していける優れモノまで!

注いでおくのを市販の缶ビールからクラフトビールに変えればもはや完璧じゃないですか。

これは家庭用ビアサーバーで決まりか!と思いきや意外な落とし穴が。。

キャンプでドラフトに限りなく近い新鮮なビールが楽しめることは最大の魅力ですし、画的にも素晴らしいんですが、実際にアウトドアで使用した人のレビューで目立つのが使用後のメンテナンスの煩雑さです。

キャンプに行く際どうしても荷物が多くなりがちですが、それは自宅と同等もしくは自宅以上の快適さをキャンプに持ち込もうとするとそれなりの機材が必要になるからで、ほとんどのキャンパーがどうしたら野外でも快適に過ごせるかを追求し続けている以上そこは譲れない部分だと思います。

するとキャンプ後の片づけも同様の手間と時間が掛かってくるのは当然ですよね。

楽しいキャンプを終えて家に帰ってからビアサーバーを分解し機材を一つ一つ洗う手間を考えるとちょっとめまいがしてしまいます。。

そんな手間も楽しめる!

という方はビアサーバーで良いと思いますが、キャンプの準備と後片付けになるべく時間を掛けたくない人にとっては、一度興味本位で使ってみてお蔵入り。。

筆者に限って言えばそんなことになりそうです。

■クラフトビール専用持ち帰り水筒グラウラーを考察

グラウラーイメージ
グラウラーイメージ

次に思いつくのが、いま話題のクラフトビール専用持ち帰り水筒『グラウラー』。

新型コロナの影響で自粛を余儀なくされたビール好きにお店に駆け付ける免罪符を与えつつ、一躍市民権を得た注目アイテムです。

『グラウラー』なんて初めて聞いたという方も多いかもしれませんが、クラフトビール好きの間では必須アイテムになりつつあるほど人気の商品です。

クラフトビールの炭酸を逃がさない耐圧構造になっているビール専用の魔法瓶のような代物でこれなら面倒なメンテンスからも解放されそうです。だって水筒洗うだけですし。

量り売り対応しているクラフトビール店にグラウラーを持っていって好きなクラフトビールを詰めて持って帰れば良い訳ですし、容器も洗いやすそうですし、これまたグラウラーで決まりか!

と思いきやこちらも問題が

とあるレビューによれば最大24時間くらいは美味しさを保てる商品もあるようですが、実際には12時間くらいで少しずつ内部温度も上がり始め炭酸も徐々に抜け始めるとのこと。

※使った人の感想であり諸説あり

例えば実際にキャンプに行く前の日、グラウラーにビールを詰めてもらいにお店に行くとします。ビールをグラウラーに詰めて貰ったのが夜の20時、翌日キャンプに出掛けて【乾杯】の時にビールを楽しむとしても最短で16時間から19時間くらい経過してしまいます。

正直美味しさMAXなのか不安です。

それにキャンプの前日お目当てのお店が休みだったら。。

そこで考えたのがこちら!

妄想マーケティングが行き着く答えは『24時間セルフビアスタンド』

キャンプに行く当日でも対応可能な24時間セルフビアスタンドはいかがでしょうか。

キャンプの朝は渋滞を避けたり、友達を迎えにいったり早朝から動き回ることがほとんどです。

朝の7時からOPENしているクラフトビール店など皆無なのは当然ですが、それなら無人でもドラフトのクラフトビールが買えるシステムがあれば絶対助かりますよね。

これならだれにも会わずにクラフトビールを購入したいシャイなビールファンにも受けること間違いありません。

購入寸前までお店の樽に詰まっていた新鮮なクラフトビールを、グラウラーに詰めてそのままキャンプ場へGO!

どう考えても6時間以内には新鮮なクラフトビールを楽しめるって訳です。

賛否両論もそんなんできっこないといったシステム上解決しなければならない欠陥も多数あるかと思いますがこれは妄想マーケティングです。

これを実際のサービスラインに乗せられるのは未来を憂えた経営者の方であり、その情熱を持った方だけです。

妄想マーケティング『24時間セルフビアスタンド』アイデアの結末はこちらを読んだ経営者の方にお任せします。

2021年マイクロブルワリー乱立後の世界を生き抜くマーケティングとは

クラフトビールの未来創造マーケティング

2020年6月

【第1回】クラフトビールの未来×妄想マーケティング

『2021年マイクロブルワリー乱立後の世界を生き抜くマーケティングとは』について語っていきます。

当コラムがクラフトビール業界の今後を占う試金石になる!

なんてことは間違いなくありませんが、もしかしたらヒントにはなるかもしれません。

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目次

乱立するマイクロブルワリー

狙うべきターゲット層

価格設定と抜栓料

2021年のクラフトビール業界を生き抜くマーケティングとは

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■乱立するマイクロブルワリー

2020年、コロナ騒動で出鼻をくじかれたマイクロブルワリー立ち上げを目論む経営者は多かったのではないでしょうか。

アドバンスドブリューイングが醸造所構築のための講座やコンサルティングを開始したことで、小規模のブルワリーを世に送り出すという野望を抱いた人々が集まり続々と世の中にクラフトビールのマイクロブルワリー(小規模醸造所)が立ち上がっていきました。

筆者も一度こちらの講座(単発の方)にお邪魔したことがありますが、講師の方はしきりに『みなさんは後発ですから』と仰っていたのが印象的です。

つまりこれから小規模のブルワリーをオープンさせるには既に遅れを取っている以上、『既存のブルワリーに負けないだけのクラフトビールの品質とこれまでにないマーケティング戦略が求められますよ。』

と言っているように聞こえましたが、まあ実際そうなんだと思います。

現在東京、神奈川、千葉、埼玉では雨後の竹の子状態で続々と新しいブルワリーがオープンしています。

消費者の立場としては美味しいクラフトビールが気軽に楽しめるようになる半面、作り手としては否が応でも価格競争に巻き込まれる未来が目に見えていますよね。

そのなかでどう存在感を出していくのか。これは経営者としては喫緊の課題だと思います。

なんせマイクロブルワリー設立を思い立った頃に比べて競合が倍増したわけですから。

■狙うべきターゲット層

これから出店ラッシュが本格化し競争激化が予想されるクラフトビールのマイクロブルワリーですが、それではだれをターゲットにするべきなのか。

これは意見が分かれる所だと思います。

現状のマイクロブルワリーというか、クラフトビール愛好家の8割はおじさん(大体35歳以上)です。※筆者が店舗を訪れて感じた感覚値です。

これは間違いありません。

クラフトビールは製造の手間や海外からの輸入に頼っている面も含めてそれほど安価ではありません。

お店でドラフトを一杯やるなら800円~1,000円くらいは覚悟しておかないといけないでしょう。※国内のクラフトビールはもう少し安価で飲めますが。。

そんな状況では、日々のお小遣いに困っていない富裕層のおじさんかクラフトビールの為なら毎日のランチを節約してでも夜は美味しいクラフトビールを飲もう!そんな感じのおじさんしか集まらないのも無理はありません。

最近では、ビール女子という素敵なサイトも人気を博しており女性のクラフトビールファンも増加傾向にあるとは思いますが、きっと現地で取材して記事を書いているのはおじさんです。(※これは妄想です。)

そこで妄想マーケティングで狙うべきターゲットはズバリ『カップル』です。

新しいことに興味深々でお金使えるおじさんばかり狙っていても仕方ないんです。

これからは『カップル』を狙っていくべきです。

彼氏の方には『男ならだんぜん苦味を楽しむIPAだよね』とか

彼女の方には『苦味ない方が良いよね、抹茶とか好きそうだし。へイジーIPAまじ卍ですよ』

とか言いながら勧めていけばきっと『じゃあそれで』なんて返答がきますから。らくちん♪

と言うのは冗談ですが、自分の好みに合った美味しいクラフトビールとの出会いというのは感動的なものです。

その感動を誰かとシェアしたくなるのは当然ですよね。それなら将来的に家庭の財布を握る女性もしっかり取り込んでいくべき

男のロマン的な感じで寝かせておくのはもったいないので、積極的にカップルを取り込んでいくべきだと思います。

価格設定と抜栓料

クラフトビールが高額になりやすいのは知ってます。なんせ海外のクラフトビールは海を渡ってきますし、そりゃー運んでくるだけの送料が加算されて高くなるよね。なんてみんな適当に納得しちゃってますが、これからは価格競争の時代です。

ハーフパイントで800円、パイントで1,200円なんて設定してたらさすがにおじさんでも寄り付きませんよ。

だってその一杯分の値段で居酒屋の中生が何杯飲めるのよって話ですから。

今はお客さん入ってるかもしれませんが、ブルワリーが乱立して価格競争に突入したらそのうち立ち行かなくなってしまうかもしれません。

そして難しいのが抜栓料ですね。クラフトビールを提供している店舗の中には『酒屋』として営業している所が少なからずあります。

その場で缶のクラフトビールを開栓して飲むのは『角打ち』といって試飲しているだけ、という名目なのです。

そこでグラスを用意して飲ませてくれるのですが、そのグラスの使用料として抜栓料を設定している場合が多々あります。

筆者はIPA(インディア・ペールエール)が好きなんですが、こちらに関してはどう考えても海外(特にアメリカ)のブルワリーが作っているIPAの方が美味しいことが多い。

日本のブルワリーのレベルも上がってきてますが、まだまだ全体的には及ばないのが現状ではないでしょうか。

だからこそ、クラフトビール愛好家のすそ野を広げるためにも、価格は押さえて欲しい!と言うのが正直なところです。

特に海外の輸入クラフトビール缶の抜栓料500円とか設定してるお店は見直した方が良いと思います。筆者の薄い財布では対応しきれません。。

『貧乏なおじさんとか若いカップルはターゲットにしていません!』と言うお店は別ですが。

2021年のクラフトビール業界を生き抜くマーケティングとは

これまでさんざん書いてきましたが。マイクロブルワリーが乱立し、価格競争に突入していくのは目に見えています。

美味しいクラフトビールは特別な日だけとか、裕福なおじさんだけの嗜好品にしておくのは業界の発展を考えても非常にもったいない状況だと思います。

そこでたどり着くのはやはり『女性客の獲得』ですよね。

クラフトビールにはまった男性が女性を連れて来店するにはどんな戦略が必要なのか。

はたまた単体での女性客を獲得するにはどうすべきなのか。

それを考え抜いたブルワリーには次世代のクラフトビール業界の覇権を握るチャンスが訪れるのかもしれません。