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2021年マイクロブルワリー乱立後の世界を生き抜くマーケティングとは

2020年6月

【第1回】クラフトビールの未来×妄想マーケティング

『2021年マイクロブルワリー乱立後の世界を生き抜くマーケティングとは』について語っていきます。

当コラムがクラフトビール業界の今後を占う試金石になる!

なんてことは間違いなくありませんが、もしかしたらヒントにはなるかもしれません。

■乱立するマイクロブルワリー

2020年、コロナ騒動で出鼻をくじかれたマイクロブルワリー立ち上げを目論む経営者は多かったのではないでしょうか。

アドバンスドブリューイングが醸造所構築のための講座やコンサルティングを開始したことで、小規模のブルワリーを世に送り出すという野望を抱いた人々が集まり続々と世の中にクラフトビールのマイクロブルワリー(小規模醸造所)が立ち上がっていきました。

筆者も一度こちらの講座(単発の方)にお邪魔したことがありますが、講師の方はしきりに『みなさんは後発ですから』と仰っていたのが印象的です。

つまりこれから小規模のブルワリーをオープンさせるには既に遅れを取っている以上、『既存のブルワリーに負けないだけのクラフトビールの品質とこれまでにないマーケティング戦略が求められますよ。』

と言っているように聞こえましたが、まあ実際そうなんだと思います。

現在東京、神奈川、千葉、埼玉では雨後の竹の子状態で続々と新しいブルワリーがオープンしています。

消費者の立場としては美味しいクラフトビールが気軽に楽しめるようになる半面、作り手としては否が応でも価格競争に巻き込まれる未来が目に見えていますよね。

そのなかでどう存在感を出していくのか。これは経営者としては喫緊の課題だと思います。

なんせマイクロブルワリー設立を思い立った頃に比べて競合が倍増したわけですから。

■狙うべきターゲット層

これから出店ラッシュが本格化し競争激化が予想されるクラフトビールのマイクロブルワリーですが、それではだれをターゲットにするべきなのか。

これは意見が分かれる所だと思います。

現状のマイクロブルワリーというか、クラフトビール愛好家の8割はおじさん(大体35歳以上)です。※筆者が店舗を訪れて感じた感覚値です。

これは間違いありません。

クラフトビールは製造の手間や海外からの輸入に頼っている面も含めてそれほど安価ではありません。

お店でドラフトを一杯やるなら800円~1,000円くらいは覚悟しておかないといけないでしょう。※国内のクラフトビールはもう少し安価で飲めますが。。

そんな状況では、日々のお小遣いに困っていない富裕層のおじさんかクラフトビールの為なら毎日のランチを節約してでも夜は美味しいクラフトビールを飲もう!そんな感じのおじさんしか集まらないのも無理はありません。

最近では、ビール女子という素敵なサイトも人気を博しており女性のクラフトビールファンも増加傾向にあるとは思いますが、きっと現地で取材して記事を書いているのはおじさんです。(※これは妄想です。)

そこで妄想マーケティングで狙うべきターゲットはズバリ『カップル』です。

新しいことに興味深々でお金使えるおじさんばかり狙っていても仕方ないんです。

これからは『カップル』を狙っていくべきです。

彼氏の方には『男ならだんぜん苦味を楽しむIPAだよね』とか

彼女の方には『苦味ない方が良いよね、抹茶とか好きそうだし。へイジーIPAまじ卍ですよ』

とか言いながら勧めていけばきっと『じゃあそれで』なんて返答がきますから。らくちん♪

と言うのは冗談ですが、自分の好みに合った美味しいクラフトビールとの出会いというのは感動的なものです。

その感動を誰かとシェアしたくなるのは当然ですよね。それなら将来的に家庭の財布を握る女性もしっかり取り込んでいくべき

男のロマン的な感じで寝かせておくのはもったいないので、積極的にカップルを取り込んでいくべきだと思います。

価格設定と抜栓料

クラフトビールが高額になりやすいのは知ってます。なんせ海外のクラフトビールは海を渡ってきますし、そりゃー運んでくるだけの送料が加算されて高くなるよね。なんてみんな適当に納得しちゃってますが、これからは価格競争の時代です。

ハーフパイントで800円、パイントで1,200円なんて設定してたらさすがにおじさんでも寄り付きませんよ。

だってその一杯分の値段で居酒屋の中生が何杯飲めるのよって話ですから。

今はお客さん入ってるかもしれませんが、ブルワリーが乱立して価格競争に突入したらそのうち立ち行かなくなってしまうかもしれません。

そして難しいのが抜栓料ですね。クラフトビールを提供している店舗の中には『酒屋』として営業している所が少なからずあります。

その場で缶のクラフトビールを開栓して飲むのは『角打ち』といって試飲しているだけ、という名目なのです。

そこでグラスを用意して飲ませてくれるのですが、そのグラスの使用料として抜栓料を設定している場合が多々あります。

筆者はIPA(インディア・ペールエール)が好きなんですが、こちらに関してはどう考えても海外(特にアメリカ)のブルワリーが作っているIPAの方が美味しいことが多い。

日本のブルワリーのレベルも上がってきてますが、まだまだ全体的には及ばないのが現状ではないでしょうか。

だからこそ、クラフトビール愛好家のすそ野を広げるためにも、価格は押さえて欲しい!と言うのが正直なところです。

特に海外の輸入クラフトビール缶の抜栓料500円とか設定してるお店は見直した方が良いと思います。筆者の薄い財布では対応しきれません。。

『貧乏なおじさんとか若いカップルはターゲットにしていません!』と言うお店は別ですが。

2021年のクラフトビール業界を生き抜くマーケティングとは

これまでさんざん書いてきましたが。マイクロブルワリーが乱立し、価格競争に突入していくのは目に見えています。

美味しいクラフトビールは特別な日だけとか、裕福なおじさんだけの嗜好品にしておくのは業界の発展を考えても非常にもったいない状況だと思います。

そこでたどり着くのはやはり『女性客の獲得』ですよね。

クラフトビールにはまった男性が女性を連れて来店するにはどんな戦略が必要なのか。

はたまた単体での女性客を獲得するにはどうすべきなのか。

それを考え抜いたブルワリーには次世代のクラフトビール業界の覇権を握るチャンスが訪れるのかもしれません。

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