2020年6月
【第2回】妄想マーケティング『キャンプ×クラフトビール』無限の可能性
本格的な夏の到来を予感させる猛暑が列島を覆う中、ビールの美味しい季節がやってくるなと心躍らせる毎日です。
今回はいかにも親和性の高そうなキャンプとクラフトビールを軸にした業界全体が楽しく盛り上がれそうな妄想マーケティングスタートです。
突然ですが、あなたはキャンプ好きですか?
ピンとこない人も多いでしょうが、日本はいま過去に類を見ないほどのアウトドアブームの真っ只中。
ソロキャンやゆるキャンなどのキーワードが連日メディアを賑わせており、若い世代からベテランまで多くの人々を魅了してやまない手軽なアウトドアの代表格が『キャンプ』なのです。
書店では様々な切り口から流行りのキャンプ場やグランピングといった新たなキャンプスタイル、最新キャンプギア、キャンプ飯を特集した雑誌や書籍が山積みされておりその高い人気を裏付けています。
日本キャンプ協会によれば日本のキャンプ人口は850万人(2019年時点で前年度比1.2%増)に上るそうで無視するにはもったいないというか、絶対に無視できない程のポテンシャルを秘めています。参照記事
先日のコラム『2021年マイクロブルワリー乱立後の世界を生き抜くマーケティングとは』でも書きましたが、遠くない将来クラフトビールのマイクロブルワリーが乱立し、価格競争が激化することは目に見えています。
新たな市場開拓とマーケティング戦略が必須となる中で、850万人のキャンプを愛する老若男女を見過ごす訳にはいきませんよね。
では本当にキャンプを楽しむ人たちにクラフトビールは需要があるのか。
または需要を喚起できるのかというとそこはご安心ください。
実は筆者は一人でのソロキャンプから大勢でのキャンプまで幅広いキャンプを楽しむ俗に言う『キャンパー』であり、数千人が訪れる日本最大級キャンプフェスのボランティアスタッフもしているキャンプ大好き人間なのであります。
そんな筆者が断言します。
クラフトビール需要はあります。
ではどんな場面にクラフトビール需要があるのかキャンプのシーン別に見てみましょう。
1.乾杯(荷ほどきも終わりキャンプのスタートはやっぱりビール)
2.食事タイム(持ち寄った食材をみんなでシェア。お供はビール)
3.焚火を囲んでチルアウト(ぶっちゃけトークにはやはりビール)
上記シーンがすべて市販の一般的なラガービールで賄われているのが現状です。
そこで、もし以下のクラフトビールが出てきたらどうでしょう。
想像してみてください。
1.乾杯(まずは香り華やか、濁りも最高ヘイジーIPA)
2.食事タイム(どんなお料理にもぴったり、飲み口軽くセゾンが正義)
3.焚火を囲んでチルアウト(人生には苦味が必須、焚火をつまみにじっくり飲みたいダブルIPA又はチョコレートスタウトが正解)
いかがでしょう。これぞ妄想マーケティングの真骨頂。
限りなく閉ざされた世界で繰り出される割と納得しちゃいそうな妄想ニーズです。
しかし、妄想と言えどもシーンに適したクラフトビールを楽しめたら最高だと思いませんか?筆者なら前日両足骨折してても這って駆け付けます。
・家庭用ビアサーバーVSクラフトビール専用持ち帰り水筒グラウラー
■家庭用ビアサーバーを考察
アウトドアで美味しいビールを飲もうと思ったら、まず思いつくのが家庭用のビアサーバーではないでしょうか。
大手ビールメーカーはもちろんマイナーメーカーまで様々なタイプの家庭用のビアサーバーを世に送り出しており、アウトドアやキャンプに持って行けそうな商品も多数ありました。
なんとビールを注いでおけばそれを自動でキンキンに冷やしつつ、炭酸まで付属キットで足していける優れモノまで!
注いでおくのを市販の缶ビールからクラフトビールに変えればもはや完璧じゃないですか。
これは家庭用ビアサーバーで決まりか!と思いきや意外な落とし穴が。。
キャンプでドラフトに限りなく近い新鮮なビールが楽しめることは最大の魅力ですし、画的にも素晴らしいんですが、実際にアウトドアで使用した人のレビューで目立つのが使用後のメンテナンスの煩雑さです。
キャンプに行く際どうしても荷物が多くなりがちですが、それは自宅と同等もしくは自宅以上の快適さをキャンプに持ち込もうとするとそれなりの機材が必要になるからで、ほとんどのキャンパーがどうしたら野外でも快適に過ごせるかを追求し続けている以上そこは譲れない部分だと思います。
するとキャンプ後の片づけも同様の手間と時間が掛かってくるのは当然ですよね。
楽しいキャンプを終えて家に帰ってからビアサーバーを分解し機材を一つ一つ洗う手間を考えるとちょっとめまいがしてしまいます。。
そんな手間も楽しめる!
という方はビアサーバーで良いと思いますが、キャンプの準備と後片付けになるべく時間を掛けたくない人にとっては、一度興味本位で使ってみてお蔵入り。。
筆者に限って言えばそんなことになりそうです。
■クラフトビール専用持ち帰り水筒グラウラーを考察
次に思いつくのが、いま話題のクラフトビール専用持ち帰り水筒『グラウラー』。
新型コロナの影響で自粛を余儀なくされたビール好きにお店に駆け付ける免罪符を与えつつ、一躍市民権を得た注目アイテムです。
『グラウラー』なんて初めて聞いたという方も多いかもしれませんが、クラフトビール好きの間では必須アイテムになりつつあるほど人気の商品です。
クラフトビールの炭酸を逃がさない耐圧構造になっているビール専用の魔法瓶のような代物でこれなら面倒なメンテンスからも解放されそうです。だって水筒洗うだけですし。
量り売り対応しているクラフトビール店にグラウラーを持っていって好きなクラフトビールを詰めて持って帰れば良い訳ですし、容器も洗いやすそうですし、これまたグラウラーで決まりか!
と思いきやこちらも問題が。
とあるレビューによれば最大24時間くらいは美味しさを保てる商品もあるようですが、実際には12時間くらいで少しずつ内部温度も上がり始め炭酸も徐々に抜け始めるとのこと。
※使った人の感想であり諸説あり
例えば実際にキャンプに行く前の日、グラウラーにビールを詰めてもらいにお店に行くとします。ビールをグラウラーに詰めて貰ったのが夜の20時、翌日キャンプに出掛けて【乾杯】の時にビールを楽しむとしても最短で16時間から19時間くらい経過してしまいます。
正直美味しさMAXなのか不安です。
それにキャンプの前日お目当てのお店が休みだったら。。
そこで考えたのがこちら!
・妄想マーケティングが行き着く答えは『24時間セルフビアスタンド』
キャンプに行く当日でも対応可能な24時間セルフビアスタンドはいかがでしょうか。
キャンプの朝は渋滞を避けたり、友達を迎えにいったり早朝から動き回ることがほとんどです。
朝の7時からOPENしているクラフトビール店など皆無なのは当然ですが、それなら無人でもドラフトのクラフトビールが買えるシステムがあれば絶対助かりますよね。
これならだれにも会わずにクラフトビールを購入したいシャイなビールファンにも受けること間違いありません。
購入寸前までお店の樽に詰まっていた新鮮なクラフトビールを、グラウラーに詰めてそのままキャンプ場へGO!
どう考えても6時間以内には新鮮なクラフトビールを楽しめるって訳です。
賛否両論もそんなんできっこないといったシステム上解決しなければならない欠陥も多数あるかと思いますがこれは妄想マーケティングです。
これを実際のサービスラインに乗せられるのは未来を憂えた経営者の方であり、その情熱を持った方だけです。
妄想マーケティング『24時間セルフビアスタンド』アイデアの結末はこちらを読んだ経営者の方にお任せします。